【注意】老後破産しやすい60代の9つの共通点!今から始めるべき対策も紹介
「準備している老後資金が足りるのか不安」
「60代になって年金生活が始まったら老後破産しないか心配」
「定年退職した後もゆとりのある暮らしをしたい」
定年退職する時期が近づき、老後の資金不足や破産するリスクを心配されている方は多いのではないでしょうか。人生100年時代を安心して生きていくためには、老後破産への対策が重要です。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
- 自己破産する高齢者の現状
- 老後破産しやすい60代の共通点
- 老後破産しないための対策
60代を過ぎても金銭的なゆとりを持って生活するヒントを紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
自己破産する方の4人に1人が60代以上
老後破産とは、定年退職後に年金だけでは生活が苦しくなり、経済的に破綻してしまう状況を指します。2020年に日本弁護士連合会が実施した調査によると、自己破産した人のうち60代以上は25.72%、つまり4人に1人は老後破産です。
定年退職までに十分な資金を準備できていなければ、老後破産に陥るリスクが高まります。高齢の夫婦無職世帯の生活費は、1ヶ月あたり平均で約26.9万円、年金収入は約22.4万円です。これは月ごとに約4.4万円、年間では約52.8万円の赤字が生じることを意味します。
現役時代は高収入だった人でも、定年退職後の過ごし方によっては資金が早期に尽きて老後破産するケースがあるため注意が必要です。
参照:日本弁護士連合会|2020年破産事件及び個人再生事件記録調査
総務省|家計調査年報2022年
厚生労働省|令和5年度の年金額改定について
老後破産しやすい60代の9つの共通点
老後破産を防ぐには、現在の経済的なリスクを自覚することが重要です。ここでは、老後破産しやすい60代の共通点を9つ紹介します。
- 生活水準を変えられない
- 貯蓄が少ない
- 住宅ローンや家賃の負担が大きい
- 一人暮らし(熟年離婚)
- 親の介護や子どもの支援を行っている
- 体調を崩しやすい
- 非正規雇用や自営業だった
- 早期退職した
- 国の制度に頼れない
現在の生活状況や金銭面の問題を振り返り、老後破産につながるリスクがないかを確認しましょう。
1. 生活水準を変えられない
定年退職後に収入が減少して十分な貯蓄もない場合は、生活水準を下げることが必要です。生活水準を変えられない場合は支出が収入を上回り続けるため、徐々に老後破産へと向かってしまいます。
定年退職後に「再雇用制度」を利用して働き続けるケースであっても、収入が減ることに変わりはありません。それでも現役時代と同じような生活を続けると、老後資金が早期に尽きやすいため注意が必要です。
贅沢をしている自覚がなくても、生活費は毎月赤字になっており老後破産するリスクは十分にあります。現役時代に支出の多い暮らしをしていた方は、少しずつ生活水準を見直していくよう意識しましょう。
2. 貯蓄が少ない
安心して老後生活を送るためには、定年退職までに十分に貯蓄しておくことが必要です。老後の生活費は受給する年金だけでは足りないため、貯蓄を切り崩しながら過ごすことになります。貯蓄が不十分だと、生活費がまかなえず老後破産に陥りやすいため注意してください。
一般的に、老後資金は夫婦2人で2,000〜3,000万円ほど必要と言われています。現在の貯蓄状況を振り返り、長い老後生活に十分な資金を準備できるかを確認しましょう。
現役時代の収入が高かったのに貯蓄が少ない方は、散財する習慣が身についており、老後も出費が多くなる傾向にあります。ご自身の生活における支出額に合わせて、必要な老後資金を見積もりましょう。
3. 住宅ローンや家賃の負担が大きい
住宅ローンや家賃の負担が大きい方は、老後破産するリスクが高いため注意が必要です。定年退職後に住宅ローンが残っている方や賃貸に住んでいる場合は、貯蓄や退職金から支払うことになります。
また近年の退職金は減少傾向にあり、実際の支給額が想定より少なかったケースもあるでしょう。退職金を住宅ローンの支払いに充てる計画をしていた方は、実際の支給額を考慮して老後資金を計算し直すことをおすすめします。
持ち家の場合は、住宅ローンの支払いだけでなく維持費も必要です。固定資産税や火災保険料はもちろん、住居の修繕費がかかる場合があり、持ち家の維持費は年間40万円前後と言われています。老後資金を準備する際は、家賃や住宅ローン以外の住宅費用を忘れずに計上しましょう。
4. 一人暮らし(熟年離婚)
一人暮らしの方や熟年離婚をした場合は、老後破産するリスクが高まるというデータがあります。夫婦2人で生活するよりも一人暮らしする方がコストが高く、65歳以上の単身無職世帯の生活費は約14.3万円です。
また熟年離婚をすると、年金の受給額が大幅に下がります。熟年離婚をした場合は「年金分割」の制度が適用されますが、対象は婚姻期間中の厚生年金のみです。そのため期待していた年金受給額を下回るケースが多く、専業主婦やパートで働いていた方が熟年離婚をした場合は特に困窮しやすくなります。
一人暮らしの女性に必要な老後資金については、関連記事の「【解決策あり】老後に一人ぼっちの女性が必要な資金は1000万円以上!安心して暮らすための準備を紹介」にて詳しく解説しています。一人で老後を過ごす不安を解消し、安心して暮らすコツを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
5. 親の介護や子どもの支援を行っている
高齢の親の介護を行う場合、ケアにかかる費用は貯蓄から支払う人が多いでしょう。電動ベッドの購入や住宅リフォームなどの費用が必要となり、1ヶ月あたりの介護費は平均で約8.3万円です。
場所ごとの介護費は、自宅の場合は月々約4.8万円、老人ホームなどの施設を利用する場合は月々約12.2万円かかります。介護期間の平均は5年1ヶ月のため、総額500万円以上が必要です。
また定職に就いていない子どもの生活費を負担していると、老後資金を確保しづらくなります。定年退職後も子どもの学費を支払うケースや、孫に良い教育を受けさせようと支援する場合、老後資金に大きな影響があります。
参照:公益財団法人生命保険文化センター|リスクに備えるための生活設計
6. 体調を崩しやすい
60代以降は病気やけがをしやすくなり、医療費の支出が増えます。高齢者の医療費負担を軽減する制度があるものの、体調を崩しやすい方は医療費がかさみ、徐々に資産が減っていってしまうため注意が必要です。
自分や配偶者が体調を崩して思うように動けなくなった場合は、支援が必要になり介護費がかかります。健康状態を損なってしまうと、老後資金の大半を医療費や介護費に充てなければならなくなるため、とくに体調管理には気をつけましょう。
7. 非正規雇用や自営業だった
非正規雇用や自営業であった方は、年金の受給額が少ないため老後破産に陥りやすくなります。会社員や公務員は「国民年金第2号被保険者」です。
就業期間は給料から天引きされる形で厚生年金と国民年金を支払っており、退職後は年金を全額受給できます。非正規雇用や自営業の方は「国民年金第1号被保険者」です。
支払う必要があるのは国民年金のみであり、老後の受給額は約6.6万円と会社員の半分以下です。また年金を自分で納める必要があり、支払い忘れると受給額が減額されるか全額支給されなくなる場合があります。
自営業の方は60代以降でも働けますが、病気やけがなどで動けなくなった場合に備えて老後資金を多めに用意しておくのがおすすめです。
8. 早期退職した
早期退職すると年金の受給額が減り、老後破産に陥る場合があります。60〜65歳以前に早期退職した場合、厚生年金の加入期間が短くなるため受給額が減ります。
また国民年金は60歳まで納める義務があり、定年前に退職しても支払い続ける必要があるため、家計を圧迫するリスクが高いです。配偶者を扶養している場合、早期退職後は家族分の年金を自分で納める必要があるうえ、亡くなった際の遺族年金の受給額は下がります。
早期退職した方は年金の受給額を考慮して、必要に応じて老後資金を増やす方法を検討しましょう。
9. 国の制度に頼れない
生活が困窮した際に国の制度に頼らず、結果的に老後破産するケースがあります。国や自治体では生活保護などの社会保障を設けており、困窮者は支援制度の利用が可能です。
困窮者の中には、制度の存在は知っていても利用することを恥ずかしく感じ、支援を拒否する方は多くいます。生活が成り立たなくなった場合、支援制度を早めに利用することで状況の悪化を抑えられます。
もしも老後に生活が困窮した際は、各自治体の窓口などへ問い合わせ、利用できる支援制度があるかを相談してみてください。
老後破産のリスクが気になる60代が行うべき5つの対策
老後破産のリスクを抑えるために、今からできる5つの対策法を紹介します。
- 家計を見直す
- 年金の受給額を増やす
- 家族との関係を見直す
- 健康管理を徹底する
- 老後の働き方を考える
老後の資金不足や年金生活を心配されている方は、ぜひ実践してみてください。
1. 家計を見直す
老後資産をできるだけ多く準備するために、まずは現状の家計を見直しましょう。安心して老後を過ごすためには、実際の生活でいくらかかるかの試算が必要です。生活費に加えて、以下のような費用を計算します。
- 住宅ローンや家賃
- 医療費
- 介護費
- 教育費
試算をもとに必要な老後資金を見積もり、現在の貯蓄額と照らし合わせてみましょう。老後資金が不足している場合は、節約を心がけて貯蓄が大きく減らないように注意しましょう。
老後から貯蓄を増やす方法については、関連記事の「【保存版】60歳からお金を貯める方法7選!必要な生活資金やNG習慣も解説」にて詳しく解説しています。60代から始められる資産運用についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
2. 年金の受給額を増やす
年金の繰り下げ受給を申請すると、受け取る際の増額が可能です。老齢年金の受給開始を65歳から70歳へ繰り下げた場合、受け取る額は42%増加します。
また、老齢基礎年金と老齢厚生年金のどちらか一方だけでも、繰り下げ受給が可能です。家計と貯蓄のバランスを考慮したうえで、繰り下げ受給を検討してみてください。
3. 家族との関係を見直す
良好な家族関係を築くとともに、老後生活の計画についてを話し合いましょう。高齢の親のケアを行う場合は、本人が希望する介護方法を聞き、必要な費用をどう用意するか検討します。
もし子どもが働いていなかったり定職についていなかったりする場合は、自立や就職を促しましょう。子どもと話し合って自立するまでの期限を決め、ハローワークなどの就職サポートを受けるのがおすすめです。
子どもが自立を拒み同居を続ける場合は、一定の生活費を支払うように伝えましょう。子どもが親元を離れていても、離婚や離職などで実家に戻るケースがあるため、老後資金は多めに見積もっておくと安心です。
夫婦関係が良くない場合、熟年離婚のリスクが高いだけでなく、老後資金を維持する意識が薄くなる傾向にあるため注意が必要です。日頃から老後の資金について話し合っておかなければ、無計画にお金を使い生活が困窮する恐れがあります。「夫婦の会話を大切にする」「共通の趣味を持つ」など、夫婦関係を良好に保つ意識が大切です。
夫婦関係を良好にするコツについては、関連記事の「【今日からできる】定年後の夫との付き合い方11選!夫婦円満へのポイントを紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
4. 健康管理を徹底する
体調管理を徹底して健康寿命を延ばすことで、医療費を抑えられます。以下のような体調管理に取り組み、健康寿命を延ばすように意識しましょう。
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- 定期的な健康診断
また自治体が主体となって実施している健康診断を活用すれば、医療費の自己負担を減らせます。自治体が実施するがん検診や各種健康診断では費用が補助されるため、安価に受診が可能です。
健康管理の方法については、関連記事の「【今日からできる】健康寿命を延ばす方法10選【もしもの時の備えも紹介】」にて詳しく解説しています。老後を健康的に過ごし医療費を抑えるために、ぜひ参考にしてみてください。
5. 老後の働き方を考える
定年退職した後も、健康なうちは働くのがおすすめです。収入が得られることで家計が安定するため、年金の繰り下げ受給を申請しやすくなり、将来的に受け取る額を増加させられます。
ただし無理をして働き健康を損ねてしまうと、医療費がかさみ出費が増えるため注意が必要です。再雇用制度を活用する場合は、体に負担がかからないよう無理のない範囲で働くように気をつけましょう。
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