やる気がない…と感じる高齢者におすすめの対処法5選!認知症と老人性うつの対策を紹介
「年を取るにつれて何事にもやる気がなくなり不安」
「やる気がなくなる原因は認知症なのかな?」
「もっと活動的になれる方法を知りたい」
仕事の退職や子どもが手を離れるなどのことから、毎日の張り合いがなくなったという高齢者は少なくありません。自身や身近にいる高齢の家族や知人の中には、毎日の生活や今まで興味があったものに対して、急にやる気がなくなってしまう方は多いのではないでしょうか。
物事へのやる気がなくなると、身体や心の衰えがより進んでしまうリスクがあります。そこでこの記事では、高齢者がやる気がなくなる原因や対応方法について以下の内容を解説します。
- 高齢者のやる気がなくなる原因
- 認知症と老人性うつの5つの違い
- 認知症の対応方法
- 老人性うつの対応方法
具体的な対応方法が理解できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
高齢者のやる気がなくなる4つの原因
高齢者がやる気がなくなる原因は、老化や環境の変化に対応できないためです。こちらでは、高齢者のやる気がなくなる4つの原因について解説します。
- 環境の変化
- 身体的な疾患
- 認知症
- 老人性うつ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
高齢者の方が疲れやすい原因について詳しく知りたい方は、関連記事の「【今すぐチェック】高齢者が疲れやすい原因を徹底解説!5つの予防法も紹介」を参考にしてみてください。
1. 環境の変化
高齢者は生活環境に大きな変化があると、無気力になりやすい傾向があります。生活環境の変化は「人間関係のストレス」や「理想と現実のギャップ」などの精神的な負担を与えるためです。高齢者の場合、以下のような環境の変化があった際には注意が必要です。
- 定年退職
- 配偶者との死別
- 子どもの自立
- 引っ越しなど住環境の変化
環境変化によってやる気がなくなる症状は、高齢者だけに限らず「五月病」など若い人にも共通します。ただし、高齢者は若い人に比べて環境変化への柔軟な対応が難しいため、特に注意が必要です。
2. 身体的な疾患
身体と心は密接につながっているため、身体的な疾患があるとやる気がなくなりやすいです。例えば、痛みやだるさなどによる不快感は、何かを行う際の精神的な負担となります。
また身体の痛みによって運動をしなくなると、脳への刺激が減り感情機能が低下しやすくなるでしょう。精神的なストレスが積み重なると、うつ病になるリスクがあるため注意が必要です。
3. 認知症
老化による認知症は、やる気が出ない原因につながります。認知症とは神経細胞が脱落し、脳の処理機能が低下している状態です。認知症において、やる気の出ない症状は「アパシー」と呼ばれています。アパシー状態になると、あらゆる物事や自分自身に対してやる気や関心が失われると言われています。
高齢者の認知症は「物忘れ」や「徘徊」などが一般によく知られている症状です。やる気がでない症状は、記憶障害や徘徊のように周りから見てすぐに分からないため、病気の進行に気がつかないリスクがあります。
4. 老人性うつ
老人性うつを発症すると「やる気が出ない」など様々な症状が現れます。老人性うつとは、脳の神経伝達物質であるセロトニンやノンアドレナリンが減少し、情報伝達がうまくできずに起こる疾患です。環境の変化に伴う心理的な変化が、原因になると言われています。
うつ病自体は若い方であっても発病しますが、高齢になるとうつ病になりやすい因子が増えると言われています。老人性うつの主な症状は、以下のとおりです。
- 悲観的になる
- 注意力が散漫になる
- 食欲減退
- 不眠
- 肩こりや頭痛
- 記憶力の低下
老人性うつは、漠然とした不安感が大きな心理的負担になります。心理的な負担は、食欲の減退や頭痛など身体の不調につながります。うつは、心の弱さや性格が原因ではありません。脳の神経伝達物質の異常が原因であるため、適切な治療が必要です。
「認知症」と「老人性うつ」の5つの違い
老人性うつ病と認知症は、記憶力の低下など似た症状が現れます。しかし、認知症と老人性うつ病では対応方法が異なるため、違いを正しく理解することが重要です。こちらでは、認知症と老人性うつの5つの違いを解説します。
- 症状の自覚
- 感情の波
- 会話の特徴
- 危険行為
- 治療・回復
一つひとつ見ていきましょう。
1. 症状の自覚
認知症は本人に自覚がなく、老人性うつ病では「本人がはっきりと理解できる」という違いがあります。認知症は、自身で考えて行動する自発性が低下し、自身の身体に無関心になるため自覚症状がありません。
一方、老人性うつ病は考える力が衰えるわけではないため、症状に自覚があります。自覚があるため不安な気持ちが大きくなり、さらに精神が不安定になるといった悪循環が起きるのが特徴です。
2. 感情の波
認知症は、感情の波が少ないことが特徴です。喜怒哀楽の感情が乏しくなり、不安を感じにくいため一日を通して状態は安定しています。
一方で、老人性うつは、発病すると感情の波が大きくなります。「自分が家族などに迷惑をかけている」という自責の念が強くなることが特徴です。
3. 会話の特徴
認知症は自分が話した内容を忘れてしまうため、何度も同じ話を繰り返すことが特徴です。また、相手への関心が薄く会話の内容をよく理解できていないため、見当違いな受け答えをすることもあります。
一方で老人性うつ病は、相手の言葉に対して「返答に時間がかかる」ことや「適切な応対ができない」ことが特徴として見られます。
4. 危険行為
認知症は、家族への暴力や自傷などの危険行為を行うことはありません。周りや自身に対して関心がなく、感情の波がないためです。一方で、老人性うつ病は、焦燥感や不安感から他者への暴力や自傷行為に走る可能性があります。
5. 治療・回復
認知症に対する治療方法は、現段階では確立していません。治療には抗うつ薬が使われる場合がありますが、効果が明確に期待できるわけではありません。
一方で、老人性うつに対しては抗うつ薬が有効です。認知症の完治は見込めませんが、老人性うつは適切な治療を行えば改善する可能性があります。
高齢者のやる気がなくなる「認知症」の対応方法2選
現在の医療では神経細胞の脱落を止められないため、認知症の完治は見込めません。しかし、適切な対応をすれば、神経細胞を活性化させるなど症状の進行を抑えられる可能性があります。こちらでは、認知症の2つの対応方法について解説します。
- 薬による治療
- リハビリ
それぞれ詳しく見ていきましょう
1. 薬による治療
認知症の薬物治療は劇的な効果が見込めないものの、症状の進行を遅らせることは可能です。ひどい副作用は少ないとされていますが「稀に吐き気を感じる」「脈が遅くなる」といった症状が現れる場合があります。主な認知症の薬は、以下の4つです。
- アリセプト
- レミニール
- イクセロン
- リバスタッチ
アリセプトは、認知症の進行を遅らせる薬として最も多く使われています。アセチルコリンという神経伝達物質の濃度を脳内で高めて、神経伝達をスムーズにする効果があります。
レミニールは、軽度・中程度のアルツハイマー型認知症に用いられます。途中で服薬を止めると、認知症が悪化するため注意が必要です。
イクセロンとリバスタッチは、認知症の薬として唯一の貼り薬です。アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼの働きを止める効果があると言われています。
2. リハビリ
認知症が進行すると、家事や外出などで身体を動かす機会が減り、脳への刺激が少なくなります。認知症の進行を遅くするには、脳への刺激や精神の安定を目的としたリハビリが効果的です。主なリハビリの方法は、以下の3つです。
- 回想法
- 作業療法
- 音楽療法
回想法とは本人の若い頃の記憶を引き出し、苦労や楽しかった話をして脳に刺激を与えるリハビリです。認知症によって記憶障害のある方であっても、昔の記憶は残っています。
昔のことを思い出して言葉にすることで、脳が活性化し、自発性や集中力の向上が促される効果があります。昔のアルバムなどを用意して、身近な人が話の聞き役になると良いでしょう。
手先を動かす作業療法は、脳に適度な刺激を与えるため効果的です。塗り絵や字を書くだけでなく「洗濯物を畳む」「掃き掃除をする」など日常の家事も作業療法になります。日常的な家事は身体を動かすため、筋肉量の維持ができ、寝たきりを防ぐ効果もあります。
音楽療法は、音楽を聴くことや演奏をするリハビリです。昔の懐かしい音楽を聞くことで、リラクゼーション効果や脳を刺激する効果があると言われています。
具体的には、高齢者が良く知っている曲や童謡などを用いて、手拍子など身体を動かすよう促します。音楽を聞くことから始めて、少しずつ手拍子や楽器を鳴らすなどの動作を加えていくと良いでしょう。
高齢者のやる気がなくなる「老人性うつ」の対応方法2選
老人性うつは、適切な薬物療法をすると回復の可能性があります。こちらでは、老人性うつの2つの対応方法を解説します。
- 薬による治療
- カウンセリング
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 薬による治療
老人性うつの基本的な治療方法は、抗うつ剤を使った薬物療法です。抗うつ剤とは、脳内の伝達物質の量を増やす薬です。薬物療法を行うと、心の落ち着きや気力減退を抑える効果があります。老人性うつに使用する主な薬は、以下の3つです。
- 抗うつ剤
- 抗不安剤
- 睡眠導入剤
薬物療法の際には、副作用に注意が必要です。うつ病の薬は腎臓や肝臓などに障害を与えるリスクがあり「血圧が上がる」「尿が出にくくなる」などの症状が現れる場合があります。薬物療法を行う場合は、必ず医師の判断にしたがって服用しましょう。
2. カウンセリング
カウンセリングとは、臨床心理士や公認心理師など心理療法の専門家が行う治療です。孤独感や不安感の解消に効果的と言われています。心理療法では、本人の話を引き出し、訴えを受け止めて「本人の気づきを促す」ことが特徴です。
一方的なアドバイスや指摘は、逆効果であると言われています。他者からの「励まし」や「問題の指摘」などは、病状の悪化につながると考えられています。身近な家族や友人が接する際にも、本人の訴えに共感しながら話を聞くことが大切です。
高齢者になってやる気がないと感じたら働くのがおすすめ
高齢者のやる気がなくなる症状は、老化による脳や身体の衰えが原因です。脳や身体の衰えによって、日常的にできていた家事や外出などができなくなり症状が悪化していきます。
脳や身体の衰えをゆるやかにするには、家事をなるべく自身ですることや他者との交流を通じて社会とのつながりを維持することが大切です。
身体が動く方は、短い時間であっても働くことが効果的です。仕事は日常生活にメリハリを与え、適度な運動にもなります。また、他者との交流など社会との接点ができるため、脳を活性化させることにも効果的です。
高齢者向けの仕事は、関連記事の「死ぬまで働ける高齢者・未経験歓迎の仕事5選!仕事探しのポイントや方法を解説」で詳しく紹介しています。高齢者向けの仕事や働き方が理解できる内容になっているので、参考にしてみてください。
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