【危険】高齢者がひきこもりとなる4つの理由!及ぼす影響や改善策もあわせて紹介
「定年になってからはひきこもり状態になっている…」
「高齢者のひきこもりはどれくらいいるの?」
「外に出るきっかけがほしい」
定年退職を迎え、ご自身のために使える時間が増えたのに、気づけば家にひきこもりがちになっているとお悩みの方もいるのではないでしょうか。ひきこもり生活を長期間続けていると、筋力や認知機能が低下してしまう可能性があります。
そのため、少しずつでも外出するきっかけをつくることが大切です。そこでこの記事では、ひきこもりがちになっている高齢者の方に向けて、以下の内容にを解説します。
- 高齢者のひきこもりをデータに分けて解説
- ひきこもるようになったきっかけ
- 及ぼす影響
- 改善方法
すぐに利用できる支援先も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
高齢者のひきこもりを3つのデータに分けて解説
定年を迎えた高齢者の方がひきこもりがちになってしまう理由を、東京都江戸川区が行った調査データをもとに解説します。
- 年齢
- ひきこもり期間
- 当事者が求めるもの
ご自身があてはまる箇所を確認してみてください。
1. 年齢
ひきこもりは、若年層に多いイメージを持つ方がいらっしゃるかもしれません。しかし、ひきこもりの割合が最も多い年代層は40代の17.1%、続いて50代の16.6%でした。意外にも中年層が多いのが現状です。
一方、高齢者といわれる60代以降の割合は、全体の約30%を占めています。また、年代が上がるにつれて60代は9.6%、70代は10.0%、80代は10.5%とわずかずつですが割合が増えていることがわかりました。
ちなみに、性別では男性が48.3%に対し、女性は51.4%と女性のほうが上回る結果となりました。
2. ひきこもり期間
ひきこもり期間について調査したところ、20代までは3年未満が半数を超えていることが読み取れました。一方、60代以降では1~3年未満が最も多く、2番目に10年以上という長期間のひきこもり生活をしていることがわかります。
この結果から、ご自身がひきこもりの兆候が見られたら、長期化する前に速やかな改善の取り組みを行う必要があると言えます。
3. 当事者が求めるもの
ひきこもっている本人に「求めるもの」を調査したところ、最も多かったのは「何も必要ない、今のままでいい」との回答でした。このまま自宅で過ごしたいと考えている方が多いことがわかります。
一方で、なかには「就労に向けた準備、アルバイトや働き場所の紹介」「友だちや仲間づくり」など、社会とつながりを求める回答もありました。
ひきこもり生活を脱するために、きっかけが欲しいと感じている方もいます。一定数の方が「現状を変えたい」と感じていることが読み取れます。
高齢者がひきこもりになる4つの理由
高齢者がひきこもってしまう理由は、主に以下の4つがあげられます。
- 仕事がなくなった
- フレイル(心身の衰え)
- 老人性うつ
- 人間関係の悩み
1つずつ解説するので、ご自身にあてはまる項目をご確認ください。
1. 仕事がなくなった
定年退職を迎えた高齢者への求人は、ほかの年齢層と比較すると少ないです。さらに、書類選考通過率にいたっては、30~40代と比較すると1/3~1/4程度まで下がるとも言われています。
そのため働く環境がなくなったことが、ひきこもりがちになってしまう1つの原因です。求人のなかには専門性が求められていない働き口もあるので、ご自身の働きやすい職場を探してみてください。
なお、ここでは紹介できなかった高齢者が再就職先を探す方法については、関連記事「【これで解決】定年後の再就職が厳しい理由と60歳以降の採用率をアップさせる方法【おすすめの仕事を紹介】」にて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
2. フレイル(心身の衰え)
フレイルとは、筋力や活力が年齢とともに弱まってしまうことが原因で、介護が必要な状態になってしまうことを指します。フレイル状態になったことがきっかけで、ひきこもりがちになってしまう方もいます。
以下のセルフチェック項目にあてはまるご高齢の方は、心身に衰えがでている可能性があるので注意が必要です。
- 6ヶ月間で体重が2~3kg減った
- 以前より疲れやすくなった
- 外出が減った
- 人と話すことが減った
- ペットボトルのふたが開けにくくなった
- 横断歩道を渡る際、青信号のうちに渡り切るのが難しくなった
また、フレイル状態で病気にかかってしまうと、免疫力の低下から入院が必要だと判断されることがあります。たんぱく質を多く含む献立にしたり、軽い運動をしたりして筋力の衰えを予防しましょう。
3. 老人性うつ
老人性うつは、若年層に発症するうつ病よりも早く治療を開始することが大切です。高齢者が発症する「老人性うつ」は認知症の症状と似ているため、早く治療しないと重症化してしまう恐れがあるからです。
認知機能の低下や、体の不調などを感じた際には注意が必要です。とくに、パートナーに先立たれてしまった男性は、老人性うつを発症する可能性が高いといわれています。
「妻に先立たれ生きる気力がなくなった」と、何か行動を起こすのがおっくうになってしまうことがあるそうです。老人性うつをきっかけにひきこもってしまうと、身体的に悪影響を及ぼすことになるので、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
4. 人間関係の悩み
年齢を重ねると、次第に頑固になってしまう方が多いです。そのため、若いときには冗談で話していた内容でも、急に「気に入らない」「癪に障る」などと、気が立ってしまうことがあるでしょう。
これは、自分のことを「守りたい」と思う気持ちが強くなることが原因だといわれています。「つらい思いはしたくない」「寂しさを感じたくない」と、自己防衛機能が働いているようです。
そのため、他人に対して厳しい言動や態度を取ってしまったり、疑ってしまったりすることがあります。人間関係に悩むことが多い方は、ひきこもりがちになってしまう傾向があります。
高齢者がひきこもることで及ぼす4つの影響
このままひきこもり続けた場合、どのような影響を与えてしまうかを解説します。
- 社会的孤立
- 筋力の低下
- 認知機能の低下
- 死亡率の上昇
外出しようと思えるきっかけにもなるので、ぜひ1つずつ確認してみてください。
1. 社会的孤立
長期間ひきこもり続けると、社会とのつながりをなくしてしまいます。「何かあったときに頼れる人がいない」「日常生活で相談できる人がいない」状況は、不安感から幸福を感じにくくなるため、そのまま孤立してしまわないように対策することが大切です。
また、脳へも影響を与えることがわかっています。孤独によるストレスは、肉体的な「痛み」と同じ脳反応を引き起こすと言われてます。孤独による体への負担は大きいため、高齢の方はとくに自ら外に出て人とのつながりを大切にする必要があります。
2. 筋力の低下
年を取ると、次第に運動能力や筋力が低下します。しかし、日頃からトレーニングしている方とそうでない方とでは、低下する速度が大きく異なります。自宅内でしか動かない生活は、筋肉の萎縮を進行させる原因となるため注意が必要です。
筋力が低下すると、骨折しやすくなったり生活習慣病にかかったりする可能性が高まります。高齢者であっても筋力はつけられるので、日頃からトレーニングしておくことが大切です。
健康を意識した生活習慣については、関連記事「【今日からできる】70歳女性の前向きな生き方を叶える4つのポイント!悩みを解消する方法を紹介」にて、詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
3. 認知機能の低下
認知機能が低下した状態が6ヶ月以上続くことを「認知症」と呼びます。そのため、高齢者がひきこもり続けると認知症のリスクが高まるので注意が必要です。
ちなみに認知機能とは、以下の能力のことを指します。
- 理解力
- 判断力
- 記憶力
- 計算力
- 言語理解能力 など
これらの機能を低下させないようにするためには、運動が大切だといわれています。運動することで、記憶をつかさどる「海馬」が刺激され、認知症を予防する力があると研究で証明されました。認知能力の低下を防ぐためにも、運動は欠かせません。
参照元:認知症に対する運動および身体活動の効果
4. 死亡率の上昇
高齢者がひきこもりになると、そうでない方と比較した際に死亡率が2.2倍になるという研究結果があります。研究では「社会的孤立※1」と「閉じこもり傾向※2」があるグループに分け、6年間の生存率を調査しました。
すると、6年後の生存割合は孤立も閉じこもりもしていないグループと比較した際に、最大2.2倍の差が出たそうです。
この結果から、高齢者の健康寿命を延ばすためには、運動はもちろん社会的なつながりを持つことが大切であることがわかります。ひきこもり期間が長期化する前に、早めに対策しておきましょう。
※1…同居家族以外とのコミュニケーション頻度が、対面および非対面で週1回未満の方
※2…買い物や散歩などで外出頻度が1日1回未満程度の方
参照元:高齢期の社会的孤立と閉じこもり傾向による死亡リスク約2倍
高齢者のひきこもりを改善する方法4選
ひきこもりを改善させたい方は、以下の4つの方法を試してみてください。
- ひきこもりVOICE STATIONを活用する
- ひきこもり地域支援センターに問い合わせる
- 医療機関で相談する
- 定年がない職場で働く
行動すれば改善のきっかけにつながるので、ぜひ一歩踏み出してみましょう。
1. ひきこもりVOICE STATIONを活用する
ひきこもりVOICE STATIONとは、厚生労働省が行っているひきこもりの方やそのご家族を支援する取り組みです。サイト内にはひきこもり経験者が発信している動画がいくつも投稿されています。何がきっかけとなり、外に出れるようになったかが高齢の方でも参考になるでしょう。
また、随時イベントが開催されています。イベント時には、ひきこもりの方やそのご家族と、対面またはオンライン面談の相談会を行っています。ご自身にあわせた適切な支援を行ってくれるのが嬉しいポイントです。
2. ひきこもり地域支援センターに問い合わせる
ひきこもり地域支援センターは、各都道府県に設置されている相談窓口です。社会福祉士、公認心理士等の資格を持つスタッフの方が、若年層や高齢者など年代を問わず、一人ひとりにあわせた適切な対応をしてくれます。
同じように悩む方々とつながれる「居場所」を提供してくれたり、電話で相談に乗ってくれたりするので、ご自身のニーズにあわせてもらえるのがポイントです。もちろん料金はかからないので、気軽に利用できるでしょう。
たとえば、東京都は「ひきこもりサポートネット」を運営しています。「電話・メール・ピアオンライン・訪問・個別」の5つの方法で相談でき、相談員が一緒に解決方法を考えてくれます。
3. 医療機関で相談する
精神的に優れないと感じる場合には、精神科や心療内科をかかってみるのがおすすめです。医師に相談することで、薬を処方してくれることがあります。薬の力を借りて少し気持ちに余裕ができれば、高齢者でも新たな行動を起こす気力が湧いてくるはずです。
活力が湧いたタイミングで、ひきこもりがちな生活をどう改善すれば良いかを検討すると良いでしょう。どうしても外出が難しいという方は、訪問診療を活用してみてください。
病院によっては、訪問にて診察してくれる場合があります。また、医師が自宅の状況を確認できるので、問題がある場合には改善方法の指導などが受けられるでしょう。
4. 定年がない職場で働く
高齢の方がひきこもり状態を打破するためには、働き先を見つけるのが一番効果的です。勤務先や時間が決まっていれば、外出するきっかけとなります。そこで、ご自身が働きやすそうな環境の職場を選ぶことが大切です。
たとえば、本ブログを運営する「株式会社うぇるねす」なら、働く時間や勤務日数はご自身で決められます。また、定年退職がないため、年齢を重ねても働き続けられるのが嬉しいポイントです。
初めのうちは外出することに慣れるために「週に2回・3時間勤務」などと、ご自身の体調にあわせて働いてみてください。慣れてきたら、一緒に働く仲間とのコミュニケーションをはかる目的も兼ねてシフトを増やすと良いでしょう。
業務内容は、マンションの受付や清掃を行う管理員です。身体を動かすため、筋力の向上にもつながります。マンションにお住まいの方とのつながりができ、感謝されることが喜びとやりがいへと変わるでしょう。
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