【60〜70歳以上】定年後の3つの収入源の相場を世代別に紹介【生活費の内訳や年金受給のポイントを解説】
「定年後は年金以外にどのように収入を得れば良いのかな?」
「医療や介護にお金がどのくらいかかるのか不安」
「年金や給付金などで損をしたくない」
人生100年時代と言われ、定年後も働くことが一般的になってきました。定年後の収入として「年金」だけでは心配なため、少しでも長く賃金収入を得たいという方は少なくありません。
しかし、定年後の人生でいったいどれくらいの収入を得られるのかわからないという方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
- 【世代別】定年後の収入源
- 【世代別】定年後の生活費の内訳
- 定年後の就労で収入を増やす2つの方法
- 定年後の年金受給のポイント
- 定年後の再就職・再雇用時に活用できる給付金
定年後の平均的な生活の収支や、収入を増やすための方法を詳しく解説するので、ぜひ最後までお読みください。
【世代別】定年後の3つの収入源
定年後の収入源は、主に以下の3つです。
- 給与
- 年金
- 退職金
こちらでは、収入を得る方法や返金的な収入額について世代別に紹介します。
1. 給与
現在は定年後も継続して働き、給与を得ている方は数多くいます。定年後の働き方には、同じ会社で継続して働く「再雇用」や、就職活動をして別の会社に就職する「再就職」などが選択肢としてあります。
また、定年後の給与は定年前よりも下がることが一般的です。給与が下がる理由は、雇用形態が正規雇用から非常勤雇用に変わる場合が多いからです。年代別の給与の平均額については、以下の表でご確認ください。
10人未満の事業所の場合
55~59歳 | 60~64歳 | 65~69歳 | 70歳以上 | |
男性 | 526万円 | 451万円 | 373万円 | 332万円 |
女性 | 283万円 | 266万円 | 237万円 | 190万円 |
10人以上の事業所の場合
55~59歳 | 60~64歳 | 65~69歳 | 70歳以上 | |
男性 | 580万円 | 532万円 | 508万円 | 374万円 |
女性 | 342万円 | 309万円 | 257万円 | 249万円 |
平均給与は、定年前の「55~59歳」から定年後の「60~64歳」で大きく減少していることがわかります。さらに70歳以上になると、定年前の約6割程度にまで減少します。
一方で、定年後の具体的な仕事や働き方については、関連記事の「【最新】定年後の仕事おすすめランキングTOP10!シニアの働き方や今からできる対策を徹底解説」で詳しく解説していています。ぜひ参考にしてみてください。
2. 年金
多くの方が、年金を定年後の収入の柱として考えているのではないでしょうか。年金は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2段構えになっています。
「老齢基礎年金」は自営業者と会社員が受給でき「老齢厚生年金」は会社員のみが受給できる年金です。会社員の夫(妻)扶養されている配偶者の方は「老齢基礎年金」のみ受け取ることができます。
年金は、支払ってきた期間などによって受取金額が異なります。また支給金額は、その年によって変動します。以下の表は、平均的な年金の月額の受取金額です。
老齢年金 | 老齢厚生年金(老齢年金含む) | |
令和2年 | 56,252円 | 146,145円 |
令和元年 | 55,946円 | 146,162円 |
平成30年 | 55,708年 | 145,865円 |
参考:令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省
夫(妻)が厚生年金に加入しており、妻(夫)が扶養されていた夫婦の場合、月額の年金はおよそ20万円程度ということがわかります。
実際にご自身が受け取れる年金額を知りたい方は、日本年金機構から1年に1回送付される「ねんきん定期便」でご確認ください。
3. 退職金
退職金は、会社を定年退職した際に雇用主から支払われるお金です。退職金は法律に基づいて国が支払うものではないため、会社によって金額は変わります。退職金の相場については、以下の表をご確認ください。
管理・事務・技術 (大学・大学院卒) |
管理・事務・技術 (高校卒) |
その他 (高校卒) |
|
定年 | 1,983万円 | 1,618万円 | 1,159万円 |
早期優遇 | 2,326万円 | 2,094万円 | 1,459万円 |
定年退職時にまとまった金額として入ってくるため、老後の生活にとって非常に貴重なものです。
【世代別】定年後の生活費の内訳
定年後の生活を考える上では「収入だけではなく支出がいくらかかるのか」を把握しておくことが大切です。
総務省の家計調査によると、無職二人以上世帯の生活にかかる支出は、60~69歳で年間3,459,733円(月額換算288,311円)、70歳以上で年2,716,596円(月額換算226,383円)です。具体的な年間の生活費の内訳は、以下の表を確認してみてください。
60~69歳 | 70歳以上 | |
食料 | 1,007,648円 | 887,771円 |
住居 | 225,729円 | 191,602円 |
光熱・水道 | 272,002円 | 252,937円 |
家具・家事用品 | 164,406円 | 123,222円 |
被服及び履物 | 106,731円 | 65,244円 |
保険医療 | 193,596円 | 188,779円 |
交通・通信 | 532,365円 | 306,397円 |
教育 | 43,752円 | 4,040円 |
教養娯楽 | 8,511円 | 234,361円 |
その他消費支出 | 605,009円 | 462,245円 |
参考:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)令和3年(2021年)」
こちらでは、定年後の生活にかかる支出を考える上でポイントとなる以下の3項目について詳しく解説します。
- 医療費
- 介護費
- 住居費
それぞれ見ていきましょう。
1. 医療費
総務省の家計調査によると保健医療費は、60~69歳の場合で年間193,596円(月額換算16,130円)と全体の5%を占めます。
医療にかかる費用は人によって大きく違う上に、長期的な入院や手術などで多額な費用がかかることを心配される方もいるでしょう。医療費を考える上では「高額療養費制度」について理解しておくことが大切です。
高額療養費制度とは、医療費負担を軽減するために、年収に応じて定められた医療費の上限を超えた分が支給される仕組みです。69歳以下の方の場合の上限額は、以下の表の通りです。
年収 | 上限額(69歳以下) |
住民税非課税 | 35,400円 |
~約370万円 | 57,600円 |
約370~770万円 | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
約770~1,160円 | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
約1,160万円~ | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
例えば、65歳で年収400万円の方のひと月の医療費が100万円(窓口負担30万円)だった場合、上限額は87,430円です。上限額を超えた212,570円は、高額療養費として支給されます。
高額療養費制度について理解をしておくと、定年後の多額の医療費についての心配を軽減できるのではないでしょうか。
2. 介護費
介護にかかる費用は、以下の生命保険文化センターの調査の金額を参考にすると良いでしょう。
- 一時的な費用 平均74万円
- 月々の費用 平均8.3万円(在宅4.6万円、施設11.8万円)
一時的な費用とは、在宅で介護する際に必要な「介護ベットの購入費」や「住宅の改装費」などです。月々の介護費用は、在宅と施設では倍以上違うことがわかります。介護は長期間に及ぶことが想定されるため、総額としては大きくなる場合があります。
3. 住居費
住居費は、家計調査によると年額225,729円(月額換算18,810円)と全体の6~7%程度を占めます。ただし、家計調査で算出されているのは、持ち家の場合の金額であることに注意が必要です。
賃貸住宅の場合の費用は地域によって大きく違いますが、持ち家の場合よりも倍以上の費用が必要です。住居費が全体の10~20%程度を占めてしまうようであれば、家計への大きな負担となります。
定年後の就労で収入を増やす2つの方法
定年後のお金の不安を減らすには、少しでも長く働き収入を途絶えさせないことです。定年後の仕事には様々な選択肢があるため、自分にあった働き方を検討してみると良いでしょう。こちらでは、以下の2つの方法を紹介します。
- 再雇用制度を活用する
- 長く働ける仕事に再就職する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 再雇用制度を活用する
再雇用制度とは、定年後も同じ会社で継続して雇用してもらう方法です。雇用形態は、非正規となることが多いですが、65~70歳頃まで、慣れた職場で働き続けられます。また厚生年金に継続して加入できる場合は、将来の年金受給額を増やせます。
ただし、再雇用制度は、すべての会社が用意している選択肢ではありません。これから定年退職を迎える方は、自身が所属する会社で再雇用制度があるか確認してみると良いでしょう。
2. 長く働ける仕事に再就職する
長く働ける職場に再就職をすることは、定年後の収入を確保する上で有効な手段です。人材不足などの面から、シニアの採用に積極的な業種は数多くあり、70歳を超えても働ける仕事があります。
具体的には、以下のような仕事が挙げられます。
- マンション管理員
- 清掃
- 接客
- 軽作業
- 家事代行
シニア向けの仕事は、非正規雇用である場合が多いですが、長く一定の収入を得られることは大きなメリットです。
女性が長く働ける仕事については、関連記事の「【人気】おばあちゃんでもできる仕事8選!高齢者に向いている求人の探し方も紹介」で紹介しています。男性の方は「【2022年最新】男性が年をとってもできる仕事10選!シニア積極採用の業種や選び方を紹介」を参考にしてみてください。
定年後の年金受給3つのポイント
年金は、定年後の大きな収入の柱です。年金を損することなく受給するために、以下の3点について理解しておきましょう。
- 厚生年金加入期間が伸びると受給額が増える
- 働きながら年金を受給する場合は受給額が減る可能性がある
- 受給額は繰り上げで減額・繰り下げで増額する
一つひとつ見ていきましょう。
1. 厚生年金加入期間が伸びると受給額が増える
会社員の方は、定年後も厚生年金に加入し続けることで、受給額を増やすことが可能です。厚生年金は、70歳まで加入できます。
年金受給額を少しでも増やしたい方は、再雇用や再就職の際に「厚生年金に加入できる仕事」を優先して探すと良いでしょう。
2. 働きながら年金を受給する場合は受給額が減る可能性がある
年金は、受給開始の65歳時点で働いている場合でも受給可能です。ただし、給与と年金の合計が月額47万円を超えると、受け取れる金額は減ります。
年金の減少額は「給与と年金の合計−47万円×1/2」で計算されます。例えば、給与35万円で年金が14万円の場合「49万円−47万円×1/2」で、1万円の減額です。
給与と年金で合計額が47万円を超える場合は、年金の受給時期の繰り下げを検討すると良いでしょう。
3. 受給額は繰り上げで減額・繰り下げで増額する
年金の受給開始年齢は65歳ですが「繰り上げ」または「繰り下げ」での受給が可能です。繰り上げ受給は60~64歳、繰り下げ受給は66~70歳の間で、年金を受け取れます。
ただし、繰り上げ受給を行った場合の年金は0.4%減額となり、繰り下げでは0.7%増額になります。繰り下げ・繰り上げ受給をした場合の増減率は、生涯変わらないという点に注意が必要です。
例えば、年金を毎月14万円受給できる方が受取りを60歳からに繰り上げた場合、受給額は生涯通じて毎月5,600円減の134,400円になります。
年金を早く受け取るために繰り上げを検討する場合は、減少額について理解しておくことが大切です。
定年後の再就職・再雇用時に活用できる給付金
定年後の就職活動時や、新たな仕事で給与が下がった場合に申請できる給付金があります。
- 再雇用時に受け取れる給付金
- 就職活動時に受け取れる給付金
定年後の仕事では多くの場合、給与が減少します。少しでも減少分の収入を補うために、活用できる給付金について理解しておきましょう。
1. 再雇用時に受け取れる給付金
再雇用時の給与が、定年前の75%未満になる場合「高齢者雇用継続基本給付金」を受け取れる場合があります。受給条件は給与の減少以外に、以下の3つです。
- 失業保険による基本手当や再就職手当を受給していない
- 60歳以上65歳未満の雇用保険加入の方
- 雇用保険を5年以上払っていた期間がある方
給付金額は、給与の減少率に応じて、0~15%の間で変動します。例えば、給与が30万円から20万円に下がった(低下率66.0%)方は、給付額は17,820円(支給率8.91%)です。
詳しい支給額は、厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」でご確認ください。また給付期間は、60歳になった月から65歳になる月までです。
2. 就職活動時に受け取れる給付金
定年後の就職活動の際には、以下の2つの給付金を受け取れます。
- 失業保険基本手当
- 高年齢求職者給付金
失業保険基本手当は、65歳までであれば、年齢に関係なく受給が可能です。65歳以上の方は、失業保険の基本手当に代わる制度として、高年齢求職者給付金を活用できます。
受給を希望する際には「被保険者期間」に注意が必要です。失業保険基本手当の場合、賃金支払基礎日数が原則11日以上の月が2年間のうち12ヵ月以上必要です。高年齢求職者給付金では、1年間のうち6ヶ月以上とされています。
3. 再就職時に受け取れる給付金
再就職時に受け取れる給付金は「高齢者再就職給付金」と「再就職手当」です。「高齢者再就職給付金」と「再就職手当」は、いずれも失業保険の受給中に、早期に就職が決まった場合に給付されます。ただし「高齢者再就職給付金」と「再就職手当」の両方を受け取ることはできません。
高齢者再就職給付金を受給できるのは、以下の3つの条件を満たす方です。
- 失業保険の支給残日数が100日以上残っている方
- 再就職先の賃金が、退職前より75%未満になる方
- 再就職した後1年以上雇用されることが確定している方
支給金額は、再就職先の賃金の15%です。また支給期間は、失業保険の受取期間の残日数によって異なります。残日数が200日以上の場合は2年間、100日以上は1年間受給できます。
例えば、失業保険の支給残日数が100日以上200日未満で、給与が30万円から20万円に減った方の総受給額は「3万円(20万の15%)×12ヶ月=36万円」です。
一方、再就職手当を受給できるのは、以下の2つの条件を満たす方です。
- 失業保険の支給残日数が1/3以上残っている方
- 再就職した後1年以上雇用されることが認められる方
支給金額は、高齢者再就職給付金と同様に、雇用保険の残日数によって変動します。残日数が1/3以上の場合は失業保険基本手当の支給残日数の60%の額、2/3以上の場合は失業保険基本手当の支給残日数の70%の額です。
例えば、失業保険の支給日数が100日(2/3以上)残っていて、再就職先の給与が20万円の方は「100日×70%×4,500円(基本手当額)=315,000円」です。
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