【24年最新】専業主婦の老後の年金は月6.8万円!必要な手続きと資金不足への対処法を紹介

【最新】専業主婦の老後の年金!必要な手続きと資金不足への対処法を紹介

「専業主婦は老後に年金だけで暮らしていける?」
「専業主婦だった自分が老後に独り身になったら不安」
「老後の金銭的な不安を解消する方法が知りたい」

専業主婦が老後の生活について考える際、金銭面に不安を感じる方は多いのではないでしょうか。人生100年時代を安心して過ごすためには、受け取れる年金を正確に把握し、貯蓄と合わせて老後にかかる出費をカバーする必要があります。

また夫の退職や家族構成の変化などのライフイベントが発生した際は、年金を正しく受給するための手続きが必要です。そこでこの記事では、以下の内容について解説します。

  • 専業主婦が受け取れる年金額
  • 夫の働き方別の世帯年金額
  • 老後生活に必要な資金
  • ケース別の年金受給に必要な手続き
  • 年金で暮らす専業主婦が老後から始められる対処法

専業主婦が安心して老後を過ごすためのヒントを紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

専業主婦が老後に受け取れる年金は月々約6.8万円

専業主婦が老後に受け取れる年金額

老後に受け取れる年金は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類があり、専業主婦が受給できるのは老齢基礎年金のみです。老齢基礎年金の受給額は保険料を納めていた期間によって決まり、以下の式で算出できます。

年間の受給額=816,000円×保険料納付月数/480ヶ月

専業主婦で20〜60歳までの保険料を満額納めていた方の場合、老後に受け取れる年金は月々約6.8万円です。ただし、未納期間がある方や一部免除された保険料を支払っていない場合は、受け取る年金は減額されます。

専業主婦であっても会社員やパートとして働いていた時期があれば、老齢厚生年金が加算されるため受給額は増えます。ご自身の受給額や保険料の納付状況は、毎年の誕生月に郵送される「ねんきん定期便」で確認しましょう。

参考:日本年金機構|老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

【夫の働き方別】専業主婦世帯の年金額

【夫の働き方別】専業主婦世帯の年金額

専業主婦を含む家庭では、夫の現役時代の働き方によって世帯あたりの年金受給額が異なります。ここでは専業主婦世帯の年金額について、夫の働き方が「会社員」か「自営業」かに分けて説明します。

1. 夫が会社員の世帯

夫が会社員や公務員の場合、厚生年金に加入している本人は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の両方を受給可能です。つまり、妻が専業主婦として扶養に入っていた世帯では、2人分の老齢基礎年金と1人分の老齢厚生年金を受給できます。

夫が会社員だった専業主婦世帯において、一般的な年金受給額は月々約23万円です。ただし老齢基礎年金とは異なり、老齢厚生年金の受給額は加入期間だけでなく年収によっても変化します。

一般的な年金受給額の23万円は、夫の平均年収が500万円として算出されているため、この収入から外れる世帯では受け取れる金額が異なります。実際にご自身の世帯で受け取れる年金額は「ねんきん定期便」で確認しましょう。

2. 夫が自営業の世帯

夫が自営業やフリーランスの場合、保険料を納付するのは国民年金のみです。そのため、老後に受給できるのは夫婦ともに老齢基礎年金に限られます。

夫が自営業だった専業主婦世帯の年金受給額は、1ヶ月あたり約13.6万円です。年収によって受給額は左右されませんが、未納期間があれば減額されるため注意しましょう。

参考:厚生労働省|令和6年度の年金額改定について

【夫婦・単身】専業主婦の老後生活に必要な資金

【夫婦・単身】専業主婦の老後生活に必要な資金

老後生活を送るためには、生活費に加えて医療費や介護費などが必要です。夫婦世帯と単身では支出額や年金受給額が異なるため、家族構成を考慮して老後資金を確保する必要があります。

ここでは専業主婦が老後生活を送るにあたって必要な資金を、世帯人数ごとに解説します。ご自身の現在の貯蓄額と比較し、老後資金が不足していないかを確認しましょう。

1. 夫婦世帯

専業主婦と夫の2人世帯では、3000〜5000万円の老後資金を確保する必要があります。総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦無職世帯における生活費は月々約26.9万円です。

年金受給額と生活費を比較すると、夫が会社員だった専業主婦世帯では月々3.9万円、年間では46.8万円の赤字が発生します。夫が自営業の専業主婦世帯の場合、生活費の赤字額は月々13.3万円、年間で159.6万円と高額です。

平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳であることを考慮すると、専業主婦世帯では生活費のみで1400〜3200万円の赤字となります。生活費に加えて「医療費」「介護費」「葬儀費」が2人分で1300〜1700万円かかるため、合計3000万円以上の老後資金が必要です。

2. 単身世帯

専業主婦の方が離婚や死別で単身世帯となった場合、3000万円前後の老後資金が必要です。65歳以上の単身無職世帯において、月々の生活費は約15.8万円かかります。専業主婦の年金受給額と比較すると、生活費のみで月々9万円、年間では108万円の赤字です。

平均寿命や医療費などを考慮すると、3000〜3300万円の老後資金が必要となります。また単身者は介護サービスを利用する期間が長くなる傾向があるため、必要な資金は多めに見積もっておきましょう。

専業主婦の単身者の中には、老後資金不足により年金だけで暮らすことが難しく、生活に困窮する方がいます。生活が困窮した場合の対応については、関連記事の「【すぐできる】年金だけで生活できない場合の対処法5選!必要な費用や平均受給額を紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

参考:総務省|家計調査年報2023年
厚生労働省|令和4年簡易生命表の概要

【ケース別】年金受給に必要な手続き

【ケース別】年金受給に必要な手続き

夫の退職や家族構成の変化などのライフイベントが発生した際は、年金受給に関する手続きが必要です。ここでは、老後の夫婦世帯のケース別に必要な年金手続きを解説します。

1. 夫が退職

夫が退職した際に必要な年金関係の手続きは、働き方によって異なります。夫が会社員の場合、専業主婦の妻は「第3号被保険者」として扶養に入っています。夫が退職する際、扶養に入っていた妻は「第1号被保険者」への切り替え手続きが必要です。

切り替え手続きは、自治体の国民年金窓口または年金事務所にて行いましょう。切り替え手続きを怠ると、保険料を納付していない期間が生まれて年金受給額が減るため注意が必要です。

ただし、退職後すぐに再雇用や再就職で働く場合は「被扶養者異動届」を提出すれば、引き続き第3号被保険者として扶養に入れます。夫が自営業の場合、夫婦ともに「第1号被保険者」のため切り替え手続きは不要です。

参考:日本年金機構|3号被保険者の「配偶者が65歳になったとき」の手続き

2. 離婚

会社員として働いていた夫と離婚する場合は「年金分割制度」を利用すれば、厚生年金が分与されます。離婚成立後2年以内の請求が必要であり、最大2分の1まで厚生年金の分与が可能です。年金分割制度を利用する際は、以下の手順で申請します。

  1. 年金事務所や日本年金機構の公式サイトで「情報提供請求書」を受け取る
  2. 夫婦での話し合いまたは家庭裁判所での審判をもとに「標準報酬改定請求書」を作成する
  3. 年金事務所に書類を提出し分割の手続きを行う

ただし分割の対象は婚姻期間中に納付した厚生年金のみであり、予想した額ほど受け取れないケースがあります。専業主婦が熟年離婚をした場合、年金分割制度を利用しても受給額は少なく、生活が困窮するリスクが高いため慎重に検討しましょう。

熟年離婚を避ける方法については、関連記事の「【これで解決】老夫婦が仲良しでいるための秘訣9選!熟年離婚の理由を紹介」にて詳しく解説しています。夫婦間のストレスを解消する具体的な方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

また扶養に入っていた専業主婦は、離婚時に「第1号被保険者」への切り替え手続きが必要です。自営業の夫と離婚する場合、国民年金は対象外のため年金分割の申請はできません。

参考:日本年金機構|離婚時に年金分割をするとき

3. 夫と死別

夫と死別した場合は「遺族年金」を受け取れるケースがあります。遺族年金は大きく分けて「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類です。それぞれ受給条件が設定されており、要件を満たせば両方を受け取れます。

3-1. 遺族基礎年金

遺族基礎年金とは、国民年金を納めていた方や老齢基礎年金を受給していた人が亡くなった場合に、生計を共にしていた家族が受け取れるお金です。遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」のどちらかが受給できます。子の定義は「18歳になった年度末までの子」または「20歳未満で障害等級1級または2級の子」です。

子のある配偶者の受給額は、年間816,000円を基準にして子の人数によって加算されます。子が2人までの場合は1人あたり234,800円、3人目以降は各78,300円が加算された遺族基礎年金を受け取れます。

参考:日本年金機構|遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)

3-2. 遺族厚生年金

遺族厚生年金とは、会社員として厚生年金を納めていた方や老齢厚生年金を受給していた人が亡くなった場合に、生計を維持していた家族が受け取れるお金です。

受給の優先順位が最も高い遺族のみが受け取れ、子のない配偶者や父母なども対象に入ります。遺族厚生年金を受給できる遺族の優先順位は、以下のとおりです。

  1. 子のある配偶者
  2. 子のない配偶者
  3. 父母
  4. 祖父母

遺族厚生年金の受給額は、亡くなった方の老齢厚生年金の約4分の3です。

参考:日本年金機構|遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)

年金で暮らす専業主婦が老後から始められる4つの対処法

年金で暮らす専業主婦が老後から始められる対処法

専業主婦の年金受給額に対して老後の出費は多く、金銭的な不安を感じる方は多いのではないでしょうか。年金暮らしの不安を解消するために老後から始められる対処法として、以下の4つを紹介します。

  1. 年金を繰り下げて受給する
  2. 支出を抑える
  3. 資産運用を行う
  4. 働き始める

今すぐに始められる対処法もあるため、ぜひ取り組んでみてください。

1. 年金を繰り下げて受給する

本来は65歳から開始する年金の受給開始を繰り下げることで、将来的に受け取る金額を増やせます受給の繰り下げができるのは、老齢基礎年金と老齢厚生年金のうち一方または両方です。それぞれ最大で75歳まで、月単位での繰り下げができます。

繰り下げを申請すれば、本来の受給額に「繰り下げた月数×0.7%」の金額が加算されます。例えば70歳まで5年間繰り下げた場合、42%の増額が可能です。

生活費などを貯蓄でカバーできるご家庭であれば、年金の繰り下げ受給を検討してみましょう。

2. 支出を抑える

支出を抑えて赤字額を減らせば、老後資産の大幅な減少を防げます生活費を削減するには、以下のような固定費を見直しましょう。

  • 光熱費
  • 通信費
  • 家賃

また加入している保険を見直すことで、毎月の出費を大きく減らせる可能性があります。自家用車の利用頻度が少ないならば売却を、持ち家がある場合はリースバックを検討しても良いでしょう。

支出を抑える方法については、関連記事の「【解決策】少ない年金で暮らす方法は節約と仕事!おすすめ各7選と生活保護などの制度を紹介」にて詳しく解説しています。シニアならではの節約術も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

3. 資産運用を行う

貯蓄にある程度余裕がある方であれば、資産運用を行って老後資金を増やす方法を検討してはいかがでしょうか。例えば「新NISA」は投資の利益を無期限で非課税にできる制度で、月々1,000円程度の少額から始められます。

「つみたて投資枠」の商品は金融庁が認めた投資信託のみであり、初心者でも始めやすい資産運用です。資産運用は貯金に比べて高い利回りが期待でき、老後資金を大きく増やせる可能性があります。

ただし投資は貯金とは異なり元本が保証されていないため、リスクを理解したうえで行いましょう

シニアにおすすめの資産運用については、関連記事の「【24年最新】70歳からの資産運用5つのポイント!おすすめの運用方法や新NISAも解説」にて詳しく紹介しています。初心者から始められる投資やリスクへの対策方法も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

4. 働き始める

老後からでも働き始めることで、安定した収入を得られて毎月の出費をカバーできます。また収入があれば年金の繰り下げ受給を申請しやすく、将来的に受け取れるお金の増額につながります。

専業主婦で仕事の経験が浅い方でも始められる仕事としては、マンションの管理員がおすすめです。本ブログを運営する「株式会社うぇるねす」では、マンションの管理員として働いているシニア女性が多くいます。

現役の管理員の前職はパートや主婦などさまざまで、経験に関わらず始められる仕事です。定年はなく管理員の9割近くは60代以上、女性の最高齢は84歳です。

実際に働くマンション管理員の方からは「収入・社会とのつながりが嬉しい」「定年無しが良い」という声をいただいています。専業主婦で仕事経験が浅い方でも、収入を得て安心して老後生活を送りたいとお考えの方は「株式会社うぇるねす」へお問い合わせください。

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集合写真

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